糖尿病:SGLT2阻害薬
当院では、生活習慣病である糖尿病診療にも注力しています。今回は糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬についてお話させて頂きます。
SGLT2(エス・ジー・エル・ティー・ツー)阻害薬は、2014年から日本で使われるようになった新しい飲み薬です。余分な糖を尿と一緒に排泄することで血糖を下げ、体重も減少します。また、低血糖を起こしにくいのも特徴です。
SGLTはタンパク質の一種のことです。体内でグルコース(ブドウ糖)やナトリウムといった栄養分を細胞内に取り込む役割を担っています。
SGLTは多種類あり、体内のさまざまな場所に存在しています。SGLT2は、腎臓の近位尿細管という場所に限定的に存在しているのが特徴です。近位尿細管は血液中から必要なものを吸収して、不要なものを尿として排泄する働きをします。この過程において、SGLT1とSGLT2は、グルコースを栄養分として細胞内に取り込む働きをします。近位尿細管で再吸収されるグルコースのうち、90%はSGLT2、残りの10%はSGLT1の働きによるものです。よって、SGLT2の働きを阻害すると、グルコースの再吸収が減ります。その分、尿糖の排泄が増えるため高血糖が改善されるのです。
当院では最新の知見をいち早く取り入れ、糖尿病診療を行っております。健診などで糖尿病を疑われた方は当院へお越し下さい。看護師、管理栄養士も含めチーム医療でサポートさせていただきます。