逆流性食道炎
食後に胸焼けしたりゲップが出る、喉に酸っぱいものや苦いものがこみ上げてくる感じがする、喉がつかえた感じがする、咳が続くなどの症状があったら「逆流性食道炎」の可能性があります。今回は若い人にも増えつつある逆流性食道炎についてお話します。
正常な状態では、胃液で食道が傷つかないように、食道と胃の境目にある下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)が逆流を防いでいます。
逆流性食道炎は、胃の中で胃液と混ざり合った食べ物や胃液そのものが食道に逆流する病気です。胃液は強い酸性のため、食道に逆流すると、食道の粘膜を刺激して、ただれや潰瘍ができたりします。
逆流性食道炎が起こる主な原因は、加齢・食事の内容・肥満・姿勢などによって、下部食道括約筋の筋力が低下することや、胃酸が増えすぎて胃液が逆流することです。最近では若い人にも増えています。
また一時的な逆流に伴う粘膜の炎症やストレスなどによって、食道の過敏性を異常に高めてしまうこと(知覚過敏)が、逆流性食道炎の自覚症状に大きく影響しているとの報告もあります。
診断のためには、胃カメラを受けることをお薦めします。実際に食道の粘膜に傷がつき、びらんを形成しているかどうかが分かります。胃カメラによって、症状が逆流性食道炎によるものであることを確認し、重症度を考慮した治療に結びつけることができます。また、診断的治療を行うこともあります。症状から逆流性食道炎を診断し、胃酸の分泌を抑える薬を2週間ぐらい飲んでもらい、治療効果をみるという方法です。ただし、同様の症状を起こす他の病気(胃がん、食道がんなど)であった場合に、診断が遅れてしまう恐れがあります。
治療は薬物療法が主体です。治療に用いられる薬は、胃酸の分泌を抑制する薬です。また胃や食道の食べ物を運ぶ動きを亢進させる薬、食道・胃の粘膜を保護する薬などを併用することで治療効果が上がることもあります。
当院では、消化器内視鏡専門医による苦痛の少ない胃カメラ検査が可能です。
https://kumanomae-fc.hatenablog.jp/entry/2018/09/15/091852
逆流性食道炎を疑う症状がある方は、ぜひ来院してください。