インフルエンザ

インフルエンザ新薬

 朝晩の冷え込みが一段と増し、日中も肌寒い日が増えましたね。冬になると流行するのがインフルエンザです。流行が目前に迫っており、学級閉鎖となっている小学校もあるようです。10月からインフルエンザの予防接種が始まっています。   

今回は今年3月に販売開始されたインフルエンザ新薬『ゾフルーザ』について紹介したいと思います。

 

 ゾフルーザは国内で初めての単回・1日投与の抗インフルエンザ薬です。今まではタミフルを5日間/朝夕で服用していました。ゾフルーザは1回で内服が終了するため、飲み忘れや感染拡大の抑制につながることが期待されています。今シーズンから本格的に処方数が増えそうです。

 

 薬の作用機序は、従来処方されているタミフルを含むノイラミニダーゼ阻害薬は、ヒトの細胞内で増えたウイルスが細胞から出ていくのを阻害します。一方で、キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬であるゾフルーザは、ヒトの細胞に侵入したウイルスを増殖する段階で阻害します。(下記図参照)

 

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 主な抗インフルエンザ薬の作用機序(塩野義製薬

 

 ゾフルーザの効果はタミフルと比較しても罹病期間、平熱になるまでの時間ともに同等レベルと言われています。しかし、ウイルスの排出期間は有意に短縮しており、2次感染の予防が期待されます。また副作用の出現率もタミフルと比較して低いという結果が出ているため、安心して服用できます。

 

 当クリニックでは、①内服:タミフル、ゾフルーザ ②吸入:リレンザ、イナビル  ③点滴:ラピアクタの中から治療薬を選択可能です。

 

 インフルエンザを疑うような症状があれば、早めの受診をお勧めします。

くまのまえファミリークリニック