ロタウイルス
今回は乳幼児の急性胃腸炎の原因となるロタウイルスの予防接種についてご紹介します。
ロタウイルスとは?
2~4日の潜伏期間を経て発症し、激しい嘔吐や下痢、発熱を伴います。米のとぎ汁のような白色の下痢便が特徴です。通常は1週間程度で治癒しますが、重症化すると脱水症、腎不全、脳炎や脳症などを合併し、入院が必要となることが多くあります。感染者の便や嘔吐物に含まれるウイルスに汚染された手指を介して口腔から移り、感染力が強いため、おもちゃを介しても感染します。抗ウイルス薬はないため、対症療法(症状に合わせた治療)となります。
生後6週以降(推奨は8週以降)からワクチン接種ができ、その効果は重症化を約90%防ぐことができると言われています。
ワクチンの種類は、2回接種のロタリックスと3回接種のロタテックがあります。
ロタリックスは最も感染率の高いG1型、ロタテックは感染率が高い上位5個(G1、2、3、4、9型)のウイルスが含まれるワクチンです。
「どちらがお勧めですか?」「効果に差はありますか?」など、質問を頂きます。
医学的な効果については、重症ロタウイルス性腸炎に対して、ロタリックスでは92%、ロタテックでは100%の予防効果を発揮します。
安全性に差はなく、まれに起こる副作用として腸重積がありますが、10万人に3~4人の割合で、こちらも差はありません。
どちらも効果が高く、安全性も高いので悩んでしまいますね…(^_^;)
私の個人的な意見ではロタテックをおすすめします。その他の予防接種でも受診するため、受診回数に差はなく、若干ではありますが効果に関してはロタテックが勝っているというデータがあるからです。2回で終わらせたい方はロタリックス、5価ワクチンをしっかり接種したい方はロタテックを選んで頂ければと思います。消臭剤で例えると、ファブリーズとリセッシュどちらを選ぶのか…くらいの感じです。
ご相談または接種を希望される方は、お気軽に当クリニックにご連絡ください。