くまのまえブログ

当院の漢方診療:五臓②

前回のブログでは、五臓の基本的な概念と、五行学説との関係についてお話ししました。今回は、五臓の働きと異常についてさらに詳しくご紹介いたします。漢方診療を深く理解するためには、五臓六腑の役割をしっかりと知ることが非常に大切です。

① 五臓の働き

五臓それぞれの働きは、肉体的な機能だけでなく、精神面や免疫機能にも深く関わっています。以下に、五臓の働きを表3にまとめました。

 

表3 五臓の働き

 

特に、肺は皮膚や鼻といった外的環境からの影響を受けやすく、防衛機能も担っています。

② 五臓の異常

五臓の異常は、単なる臓器の機能不全ではなく、複数の器官に関連する症状として現れることがあります。漢方ではこれを「機能単位」として捉え、身体全体のバランスの崩れとして診断します。以下に、五臓の異常を示唆する症候を表4にまとめました。

 

表4 五臓の異常を示唆する症候

 

たとえば、腎の働きが低下すると、性欲低下、腰痛、夜間尿、息切れ、健忘、白内障などの症候が現れることがあります。この状態を「腎虚」と呼び、治療には六味丸(ろくみがん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)や牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などが有効とされています。

また、五臓の精神的な活動にも注目することで、病人を心身医学的に認識でき、さらに機能単位間の相性や相克関係を考慮することで、病人を有機的なネットワークとして全人的に認識することができます。

③ 当院での漢方診療

当院では、患者様一人ひとりの症状に合わせて、西洋医学と漢方医学を融合させた治療を行っています。漢方は、体質や生活習慣に基づいて、長期的な健康維持を目指し、慢性的な疲労や冷え性、消化不良などに効果があります。

患者様の体調や症状に応じて、最適な治療法をご提案させていただきます。漢方に興味がある方、または自分に合った治療法をお探しの方は、ぜひ当院にご相談ください。

 

参考文献:『学生のための漢方医学テキスト』日本東洋医学会学術教育員会、南江堂(2007)

 

● 漢方についての、過去のくまのまえブログは下記を参照してください。

① 「当院の漢方診療:漢方医学の基本構造について」。

② 「当院の漢方診療:証と漢方方剤について」。

③ 「当院の漢方診療:気血水 気編」。

④ 「当院の漢方診療:気血水 血編」。

⑤ 「当院の漢方診療:気血水 水編」。

⑥ 「当院の漢方診療:五臓①」。

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