🚨 令和8年度 名古屋市医師会・各区医師会合同災害対策本部訓練に参加しました
2026年8月29日(土)、名古屋市医師会 6階講堂で開催された
「令和8年度 名古屋市医師会・各区医師会合同災害対策本部訓練」
に参加してきました。

今回は、私も名古屋市医師会役員の立場で訓練に参加しました。
地震や津波などの大規模災害は、いつ発生するか分かりません。
そして災害時には、病院や診療所も被災する可能性があり、
さらに停電・断水・通信障害・交通網の寸断など、
普段とはまったく異なる環境の中で医療を継続しなければならないことがあります。
今回の訓練は、そのような状況でも
名古屋市民の皆さまに必要な医療を届けるため、
医師会としてどのように情報を集め、判断し、各区と連携していくのかを確認する大切な機会となりました。
📅 訓練概要

🎯 今回の訓練の目的は?
今回の訓練は、
「名古屋市医師会災害医療救護指針 ~大規模災害~」
に基づいて行われました。
大規模災害が発生した際には、
👉 どの地域で被害が大きいのか
👉 どこの医療機関が診療を継続できるのか
👉 救護所は開設できているのか
👉 医師・看護師・医薬品などが不足していないか
👉 救急搬送が必要な患者さんをどうするのか
など、非常に多くの情報を短時間で集約し、対応していかなければなりません。
そのため重要になるのが、
「情報伝達」と「指揮命令系統」
です。
今回の訓練では、大規模災害を想定し、
名古屋市医師会と各区医師会がどのように連携して対応するのかを実践的に確認しました。
👨⚕️ 訓練参加者
訓練では、名古屋市医師会役員、各区医師会役員、医師会職員などがそれぞれの役割を担当しました。
【司会・コントローラー】
救急担当理事 竹中 基晃先生
名古屋市医師会職員(救急課)
【プレイヤー】
名古屋市医師会役員
各区医師会医師
名古屋市医師会職員
今年度は、
千種区・西区・中村区・中区・昭和区・熱田区・港区・天白区
の各区医師会が参加しました。
ちなみに昨年度(令和7年度)は、
東区・北区・瑞穂区・中川区・南区・守山区・緑区・名東区
が参加しています。
【監修】
愛知医科大学災害医療研究センター 助教
柴田 隼人様
医療法人 東ヶ丘クリニック 事務長補佐
太田 雅博様
のご監修のもと訓練が実施されました。

🌏 想定されたのは「南海トラフ巨大地震」
今回の訓練では、非常に大規模な地震が発生したという設定のもとで訓練が進められました。

⚡ 電気も水道も通信も使えない可能性
今回の想定では、地震そのものだけでなく、社会インフラにも甚大な被害が発生します。
🔌 電気
火力発電所が緊急停止し、県内の約90%が停電
🔥 ガス
愛知県内で供給停止
🚰 上水道
県内約76%で断水
🚽 下水道
県内約90%で利用困難
📞 電話
通話困難
📡 インターネット
通信が不安定
さらに交通機関にも大きな影響が生じます。
🚗 高速道路は通行止め
🚙 幹線道路は通行可能でも大渋滞
🚃 JR・私鉄・地下鉄は運休
⚓ 港湾は利用不可
✈️ 空港も利用不可
つまり、
「電気がない、水がない、電話がつながらない、電車も動かない」
という状況の中で、医療体制を構築しなければならない想定です。
なお、各区医師会災害対策本部にはStarlink(スターリンク)が設置されている想定で訓練が行われました。
🌊 津波、余震、避難所開設……刻々と状況が変化します
災害対応の難しいところは、発災直後の状況がそのまま続くわけではないことです。
今回の訓練でも、時間の経過とともに新たな状況が次々と付与されました。
🌊 発災95分後
名古屋市港区へ最大1mの津波が到達
⚠️ 発災後1週間
マグニチュード7.0程度の余震が発生する可能性
🏥 発災60分後
名古屋市に「名古屋区域保健医療調整会議」が設置
🏫 津波警報解除後
順次、避難所が開設
このように状況が刻々と変化する中で、入ってくる情報を整理し、その時点で必要な対応を判断していきます。
🏥 大規模災害が起きたら医師会は何をするの?
少し難しい内容が続きましたので、簡単に説明したいと思います。
大規模災害が発生すると、名古屋市医師会会館に災害対策本部を立ち上げます。
一方、各区医師会でもそれぞれ災害対応を開始します。
イメージとしては、
① 大規模災害発生
⬇️
② 各区医師会が被害状況を確認し、順次 救護所を開設
⬇️
③ 各区医師会から被害状況・救護所開設状況を名古屋市医師会災害対策本部へ報告
⬇️
④ 各区だけでは解決できない問題を名古屋市医師会災害対策本部へ連絡
⬇️
⑤ 名古屋市医師会災害対策本部で情報を集約・検討
⬇️
⑥ 必要な対応・調整を行う
⬇️
⑦ 各区医師会へフィードバック
という流れになります。
たとえば、
🚑 救急搬送が必要だが搬送先が決まらない
🏥 地域の医療機関が被災して診療できない
👨⚕️ 医療スタッフが不足している
💊 医薬品や医療資材が足りない
📡 通信手段が限られている
といった、各区だけでは解決することが難しい問題を名古屋市全体で共有し、調整していくことになります。
🔄 「情報を集める」だけでは意味がありません
今回改めて感じたのは、災害時には単に情報を集めるだけでは十分ではないということです。
重要なのは、
情報収集 → 状況判断 → 対応 → 各区へのフィードバック
までを一つの流れとして機能させることです。
「情報を本部に送ったけれど、その後どうなったのか分からない」
という状態では、現場は次の行動を判断できません。
特に通信環境が不安定な大規模災害では、
必要な情報を簡潔かつ正確に伝え、優先順位をつけて対応し、その結果を現場へ返すことが非常に重要だと感じました。
🗺️ 図上訓練だからこそ見えてくる課題
今回は実際に救護所を設営する訓練ではなく、
さまざまな状況が次々と提示され、それに対して参加者が判断・対応していく「図上訓練」でした。
実際の災害では、
「電話がつながらない」
「道路が渋滞している」
「病院が受け入れできない」
「救護所から応援要請が来た」
など、想定どおりにいかないことが次々と発生すると考えられます。
だからこそ平時から、
「もし、この状況になったらどうするのか?」
を具体的に考え、実際に訓練しておくことが重要です。
👨⚕️ 昨年度は「緑区医師会」、今年度は「名古屋市医師会役員」として参加
私自身、昨年度の合同災害対策本部訓練には、緑区医師会の立場で参加しました。
今年度は立場が変わり、名古屋市医師会役員として参加しました。
昨年度は各区医師会側から本部へ情報を伝える立場でしたが、
今回は名古屋市全体の情報を集約し、各区との連携や対応を考える側から訓練を見ることができました。
立場が変わることで見える課題も異なり、大変勉強になりました。
また、昨年度の訓練と比較しても、今年度はより実践的で充実した訓練になっていたと感じます。
これは昨年度の訓練で明らかになった課題や反省点を踏まえ、
救急担当理事の竹中 基晃先生を中心に、
名古屋市医師会の救急担当職員の皆さまが事前に入念な準備をしてくださった成果だと思います。
この場をお借りして、訓練の企画・準備・運営に携わられた皆さまに心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。
🚨 災害は「起きてから考える」では間に合いません
南海トラフ地震をはじめとした大規模災害は、いつ発生するか分かりません。
そして実際の災害時には、
停電しているかもしれない。
水道が使えないかもしれない。
電話もインターネットもつながらないかもしれない。
道路も鉄道も使えないかもしれない。
そのような状況でも、医療を必要とする方はいらっしゃいます。
だからこそ、災害が起きてから対応を考えるのではなく、
平時から役割分担や情報伝達方法を確認し、繰り返し訓練しておくことが重要です。
🏥 名古屋市民の皆さまを守るために
大規模災害時に一つの診療所、一つの病院だけで対応できることには限界があります。
地域の診療所、各区医師会、名古屋市医師会、行政、災害拠点病院などが連携し、
「地域全体で医療を支える体制」を構築することが必要です。
名古屋市医師会では、大規模災害が発生した際にも市民の皆さまに必要な医療を届けられるよう、
日頃から災害医療体制の整備や訓練を重ねています。
今回の訓練を通じて、私自身も改めて災害時における医師会の役割と、
平時から準備しておくことの重要性を実感しました。
今後も名古屋市医師会役員として、そして地域医療を担う一人の医師として、
災害時にも地域の皆さまの健康と命を守ることができるよう取り組んでまいります。
📍くまのまえファミリークリニック
📞 TEL:052-876-3351
🏠 〒458-0837 名古屋市緑区兵庫1-411-2




