胃粘膜下腫瘍
今回は、胃がん検診で指摘されることがある、胃粘膜下腫瘍についてお話します。
胃粘膜下腫瘍は、病変が胃粘膜の下(胃壁の中)に存在します。表面が正常な胃粘膜に覆われ、胃の中になだらかに突出しています。胃の表面に腫瘍の一部が顔をだしていることもあります。胃粘膜下腫瘍は、良性から治療を要する悪性の病変まで、さまざまです。
最も頻度の高い胃粘膜下腫瘍はGIST(消化管間質腫瘍)と呼ばれる病変です。その他に、平滑筋腫や神経鞘腫、脂肪腫、嚢胞、迷入膵などがあります。
GISTの腫瘍細胞は、消化管の運動に関与しているカハール介在細胞由来です。c-kit遺伝子の突然変異によるKIT蛋白の異常により、細胞が異常増殖を起こします。
大まかな目安として、2cmまでの腫瘍は年に1~2回の胃カメラで経過を見ます。2cmより大きくなってきた場合は精密検査(CT、超音波内視鏡検査など)が必要になります。
胃がん検診で胃粘膜下腫瘍を指摘された方は、当院でフォローさせていただきます。まずは診察にお越し下さい。