くまのまえブログ

機能性ディスペプシア(FD)

 「機能性ディスペプシア(functional dyspepsia:FD)」という病気を知っているでしょうか?日本人の11-17%が罹患しているとの報告もあり、珍しい病気ではありません(機能性ディスペプシガイドライン:日本消化器病学会)。FDは「症状の原因となる器質的、全身性、代謝性疾患がないのにもかかわらず、慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの心窩部を中心とする腹部症状を呈する疾患」と定義されます。

 

 「胃もたれ」「胃の痛み」などの症状が長く続き、胃カメラ、腹部エコーや採血などの検査をしても、明らかな異常が見つからない場合に、機能性ディスペプシアの可能性が考えられます。しかし、検査で異常を認めないため、診断されずに専門的な治療が遅れることも多いと思われます。

 

  原因は1.胃・十二指腸運動が障害された場合、2.胃・十二指腸の知覚過敏が生じている場合、3.心理的要因(とくに不安や虐待歴)がある場合、4.胃酸が原因となる場合、5.ヘリコバクター・ピロリ感染が原因となる場合、6.遺伝的要因、7.感染性胃腸炎にかかった人、8.アルコール・喫煙・不眠などの生活習慣の乱れ、9.胃の形態などがあります。

 

 検査は胃癌、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの疾患を除外するために胃カメラヘリコバクターピロリ感染の検査、他の癌や疾患を除外するために血液検査や超音波検査、腹部CT検査などを行います。

 

 治療は1.胃で起こっている異常を改善する方法、2.敏感になっている状態を改善する方法があります。1.は消化管運動機能改善薬や酸分泌抑制薬が症状の改善効果が報告されています。また漢方薬を内服することで胃の動きが良くなる方もおられます。2.は脳が敏感な状態となっていることを抑えることは難しいですが、一部の抗不安薬抗うつ薬に改善効果が示されています。

 

 いずれのお薬も効果に個人差があり、服用した方の半数ぐらいにしか効果があらわれないといわれており、また症状消失後に5人に1人が数カ月の間に再発するとも報告されています。FD治療の第一歩は、FDについて詳しく理解している医師のサポートを受けることです。医師または周囲の医療スタッフに対する信頼感も治療効果をあげることになります。

 

 「胃もたれ」「胃の痛み」などの症状が長く続きお困りの方は、ぜひ当クリニックに受診して頂ければと思います。

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