蓄膿症(副鼻腔炎)
本日はお子さんの蓄膿症についてお話します。
テーマは「こどもの副鼻腔炎に抗生剤治療は必要か?」です。鼻水が長く続き、あおばなになると蓄膿を心配される方は多いと思います。
「あおばな」は鼻水の中にばい菌がたくさんいるから青色が付いていると思っている人が多いですが、実際は、鼻水が出て時間がたつと、鼻水の中に白血球が増えて青色が付いてきます。ばい菌が原因ではなく、鼻水が出だして時間が経過したからです。
風邪のときに副鼻腔のレントゲンを撮影すると、頻繁に副鼻腔に影が見つかり、副鼻腔炎を起こしていることがわかります。しかし、この副鼻腔炎は一時的であり、ほとんどは治療しなくても治ります。
お子さんの場合には、大人のように顔が腫れたり・痛みが出るなどの治療が必要な重症な副鼻腔炎はほとんどありません。アメリカでは抗生剤の効かない菌(耐性菌)の出現を防ぐため、膿性の鼻水(あおばな)があっても、2週間以上続かなければ、抗生剤を使った治療はしないようです。
また抗生剤を少量だけ長期に投与する治療法がありますが、お子さんへの有効性もはっきりしていないことや前述した耐性菌の出現などの問題もあり、お子さんへの抗生剤投与は短期間にすることが良いと思われます。
当クリニックは、正確な診断、的確な治療、わかりやすい説明を心がけております。お子さんのことで心配事があれば、気軽に受診してください。