インフルエンザ

フルミスト 〜経鼻弱毒生インフルエンザワクチン接種〜

 今回はフルミストという商品名の鼻にスプレーするインフルエンザワクチンについてお話します。
 
 これまでは輸入して使用する必要がありましたが、今年度から日本国内で承認されたワクチンを使用することができるようになりました。
 フルミストは、2003年にアメリカ食品医薬品衛生局(FDA)に認可され、米国疾病予防管理センター (CDC) と米国小児科学会 (AAP) が推奨しています。2011年からは、ヨーロッパでも認可・発売されており、効果や安全性ついても確認されています。対象年齢は2歳以上19歳未満(18歳まで)の方です。各鼻腔内に0.1mLを1噴霧します。注射は2回接種になりますが、フルミストは1回のみとなります。
 
  副反応ですが、ワクチン接種後にくしゃみが出たり、喉に垂れ込んだりすることがありますが、飲み込んでも特に問題ありません。30~40%の人には、接種後3~7日までに鼻炎・鼻づまりが出ることがあります。その他、数日は咽頭痛や咳など軽度の感冒様症状を認める場合もあります。稀に発疹やじんましんの他に、アナフィラキシーショックやギランバレー症候群のような重い副反応を起こすこともありますが、他のワクチンも同様です。
 
 対象年齢に該当している場合でも、以下に当てはまる場合には接種ができないため、ご注意ください。
①明らかな熱(37.5度以上)がある方
②重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
③本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな方
④明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている方
⑤妊娠していることが明らかな方
⑥上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある方
 
 次のいずれかに該当する方は、接種に対して注意を要します。健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行います。
①ゼラチン含有製剤又はゼラチン含有の食品に対して、ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管性浮腫等)等の過敏症の既往のある方
②心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する方
③予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある方
④過去にけいれんの既往のある方
⑤過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる方
⑥重度の喘息を有する者又は喘鳴の症状を呈する方
⑦本剤の成分又は鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対してアレルギーを呈するおそれのある方
 
 当院では本年度からフルミストの接種を開始します。ご希望の方や質問等がある方は当院にお問い合わせください。お待ちしております。
くまのまえファミリークリニック