当院で大腸内視鏡検査を選択する人が多い理由
当院では、多くの患者様が大腸内視鏡検査を希望して受診しております。その理由の一つに、腸の形や癒着具合に応じた挿入法を選択することにより苦痛の少ない大腸カメラを提供しているからと思います。特に軸保持短縮法やループ形成法などの挿入方法を、患者様に合わせてを使いわけることで、より快適な検査を提供しております。これらの挿入法について詳しく説明します。
- 軸保持短縮法とは
軸保持短縮法は、内視鏡を挿入する際に、S状結腸に進めたところで、内視鏡の挿入角度を調整し、より細かくS状結腸の内側のひだをたぐりながら、腸内での抵抗を減らし、ループを形成しないようにストレートな状態でS状結腸を突破する方法です。腸内には個人差があり、形や癒着の具合によっては、内視鏡を進める際に痛みを感じることがあります。この方法では、腸の曲がり具合や狭窄部分を考慮し、内視鏡をできるだけ直線的に進めるように工夫するため、患者様の負担を大きく軽減することができます。
メリット:昭和大学横浜北部病院の工藤進英先生が考案された方法で疼痛が非常に少なく、かつ大腸の一番奥に到達する率が高くとても有用な挿入法です。
デメリット:習得に相当な鍛練が必要であること、また内視鏡専門医が検査を行っても成功率がおおよそ60~80%です。
- ループ形成法とは
ループ形成法は、内視鏡を挿入する際に、S状結腸の入り口まで進めたところで、そのまま内視鏡を押し続けて,「α(アルファ)型」や「γ(ガンマ)型」になるようにループを作りながらS状結腸を突破する方法です。この方法を使用することで、腸の曲がりが強い部分でもスムーズに内視鏡を通すことができます。ループが形成されることで、腸の動きを和らげ、検査中の痛みを減少させる効果があります。
メリット:腸内の構造に合わせて内視鏡を操作できるため、特に腸が癒着している部分でも検査を痛みなく進めることができます。
デメリット:S状結腸を進展させながら挿入していくので、しばしば強い疼痛でる。またS状結腸が過剰に進展しやすい方の場合に、内視鏡の長さが足りなくなり、一番奥まで到達できないこともあり、そのような場合に、S状結腸を突破した後に、ループを解除するために、内視鏡をひねりながら引き戻すという動作を行う必要があり、その際にも疼痛を誘発する可能性がある。
- 患者様の負担を軽減するための選択
当院では、患者様一人ひとりの腸の状態に応じて、軸保持短縮法やループ形成法の挿入法を適切に使いわけております。その結果、痛みを軽減しながらスムーズに検査を行うことができ、患者様にとってストレスが少なく、より快適な検査体験を提供することができます。
- 検査後のサポートも充実
検査後も、スタッフがしっかりとサポートいたします。検査結果については迅速にお伝えし、必要に応じて治療法や今後の対応について詳しく説明いたします。検査中の不安や疑問にも対応し、安心して検査を受けていただけるよう努めています。
まとめ
当院で大腸内視鏡検査を選択する理由の一つは、軸保持短縮法やループ形成法を使い分け、患者様の腸の状態や癒着の程度に合わせた検査を提供し、検査中の痛みや不快感を最小限に抑え、快適に検査を受けていただけるからと思います。大腸カメラを受けることに不安を感じている方こそ、当院での検査を検討していただければと思います。