くまのまえブログ

日本医師会認定産業医研修会に参加しました

令和7年1月26日、中日ビルで開催された日本医師会認定産業医研修会に参加しました。本研修会は、午前10時から午後5時までの長時間にわたり、産業医としての役割に対する理解を深める貴重な機会となりました。

私は、クリニック業務を行う傍ら、産業医として企業への訪問も行っています。企業内での健康管理や労働環境の改善に携わることは、非常に重要な役割を担っており、この研修会では産業医として求められる知識やスキルをさらに向上させることができました。

研修内容は午前と午後に分かれており、非常に充実した内容でした。

午前の部
「アルコール依存症の予防と治療」というテーマで八事病院の奥田正英先生から講義を受けました。アルコール依存症は職場においても重要な問題であり、早期の介入と精神科専門医による適切な治療への橋渡しが求められます。精神科専門治療に至るまでには、3つの壁が存在すると言われています。第1の壁は「病識の欠如」、第2の壁は「一般科の壁」、そして第3の壁は「精神科の壁」です。良好な医師と患者の関係が重要であり、患者さんに寄り添い、信頼関係を築くことが必要であることを学びました。また、奥田先生はアルコール依存症のメカニズムや予防方法について、実践的かつ具体的なアドバイスをくださいました。

午後の部
午後は、まず愛知県医療勤務環境改善支援センターの加藤善士先生による「職場巡視ポイント」に関する講義がありました。企業の健康管理の一環として、職場環境の巡視は非常に重要な作業です。加藤先生は、職場環境改善において注目すべきポイントや具体的な手法、さらには企業の安全配慮義務について詳しく説明してくださいました。

続いて、株式会社ジェイテクトの福井明先生による「判例に学ぶ安全配慮義務」の講義がありました。職場における安全配慮義務は企業の責任として非常に重要な問題です。福井先生は実際の判例を交え、企業が果たすべき安全配慮義務の重要性と具体的な対応方法について解説してくださいました。

 

今回の研修会を通じて、産業医としての役割や責任を再認識することができました。また、現場で直面するさまざまな課題に対して、より適切に対応するための知識を深めることができました。今後も引き続き、クリニック業務と産業医としての役割を両立させ、より良い医療サービスの提供を目指していきたいと思います。

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