くまのまえブログ

当院における糖尿病診療:ツイミーグについて

今回は、糖尿病の治療薬として2021年に承認された「ツイミーグ」についてご紹介いたします。ツイミーグ(一般名:イメグリミン)は、グリミン系に分類される新しい治療薬であり、その作用と特徴について詳しくお話しします。

 

① 主な作用

1. グルコース濃度依存性インスリン分泌促進作用: 膵臓のβ細胞にあるミトコンドリアに作用し、エネルギー代謝に関与する補酵素NAD+を増加させることで、インスリン分泌を促進します。この作用により、血糖値が上昇した際にインスリンの分泌が促進され、血糖コントロールを助けます。

2. インスリン抵抗性改善作用: 肝臓での糖新生抑制や骨格筋での糖取り込み能の改善により、インスリン抵抗性を改善する作用を持っています。これにより、体内での糖の利用が効率よく行われるようになります。

そのため、ツイミーグは、インスリン分泌能を高めるとともに、インスリン抵抗性を改善することで、血糖降下作用を発揮します。

 

② 適応: 2型糖尿病の治療に適応があります。

通常、成人には1回1000mgを1日2回、朝・夕に服用します。また、他の経口血糖降下薬やインスリン製剤との併用も可能です。

ただし、中等度以上の腎機能障害(eGFR<45ml/分/1.73m²)の患者さんに対する臨床試験は実施されておらず、このような患者さんへの投与は推奨されていません。

 

③ 主な副作用: 主な副作用としては、悪心・下痢・便秘などが報告されていますが、類似した作用を持つメトホルミンにおいて見られる重篤な副作用である乳酸アシドーシスを起こす可能性は低いと考えられています。実際、臨床試験においては乳酸アシドーシスを含む重大な副作用は確認されていません。

 

④ 当院での治療について: 当院では、日本糖尿病協会糖尿病認定医が患者様一人ひとりに最適な治療を提供しています。インスリン治療だけでなく、SGLT2阻害薬などの最新の薬物治療を取り入れ、患者様に合った治療プランを提案させていただいています。 糖尿病についてお悩みの方、治療についてご相談がある方は、どうぞお気軽にご来院ください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。

くまのまえブログ「当院における糖尿病診療について」(R7年1月31日掲載)はこちらです。

 

参考文献:糖尿病ガイドライン2024:日本糖尿病学会

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