当院の骨粗鬆症診療:各論②
今回は、骨粗鬆症の各論の続きとして、骨粗鬆症の分類についてお話しします。
① 骨粗鬆症の分類
骨粗鬆症は、病因によって「原発性骨粗鬆症」と「続発性骨粗鬆症」の2つに分けられます。
原発性骨粗鬆症には、主に以下の種類があります:
● 老年性骨粗鬆症(低回転型):加齢により腎機能が低下し、骨形成が減少することで発症します。このタイプは骨芽細胞の機能が衰えるため、骨が弱くなりやすいです。
● 閉経後骨粗鬆症(高回転型):閉経に伴いエストロゲンの分泌が減少し、骨吸収が過剰になることで発症します。特に女性に多く、閉経後の骨密度低下が顕著です。
続発性骨粗鬆症は、骨に悪影響を与える基礎疾患や薬剤が原因で発症します。例えば:
● クッシング症候群や慢性腎不全などの基礎疾患
● 副腎皮質ステロイドの長期使用(これにより骨吸収が促進される)
特に慢性腎不全では、腎機能が低下することによってビタミンD3の活性化が難しくなり、結果的に食事由来のカルシウムの吸収が低下、また腎臓からのカルシウム再吸収も減少し、骨形成が低下します。この影響が骨粗鬆症の進行を助長するのです。
② 高回転型と低回転型
骨代謝には「リモデリング(骨の再構築)」という過程があり、古い骨が吸収され、新しい骨が形成されるプロセスです。この過程での骨組織の入れ替わりが多い場合を「高回転型」、少ない場合を「低回転型」と呼びます。
● 低回転型(老年性骨粗鬆症):加齢により骨芽細胞の機能が低下し、骨形成が減少するため、骨の入れ替わりが少なくなり、骨密度が低下し、骨折しやすくなります。
● 高回転型(閉経後骨粗鬆症):閉経後にエストロゲンの減少により骨吸収が亢進し、骨が過剰に吸収される状態です。その結果、骨の再構築が異常に活発になりますが、骨量が減少します。
次回のブログでは、骨粗鬆症の治療についてお話しする予定です。骨粗鬆症の早期発見と適切な治療が、骨折のリスクを大きく減らしますので、早期対応が大切です。
参考文献
Premiere Book Part.7:Micelle
骨粗鬆症についての、過去のくまのまえブログは下記を参照してください。
① 「当院の骨粗鬆症診療:骨の構造・骨の代謝回転について」。
② 「当院の骨粗鬆症診療:カルシウムイオン(Ca²⁺)の体内動態について」。
③ 「当院の骨粗鬆症診療:ビタミンD3の活性化機序について」。
④ 「当院の骨粗鬆症診療:各論①」。




