くまのまえブログ

当院の骨粗鬆症診療:治療編③

今回は骨粗鬆症における骨吸収抑制薬である抗RANKL抗体、カルシトニン製剤、イソフラボン製剤についてお話しします。以下に骨粗鬆症治療薬の分類を再度お示しします。

 

表1 骨粗鬆症治療薬の分類

 

① 抗RANKL抗体

● 一般名: デノスマブ(先発品:プラリア)
破骨細胞の分化促進因子であるRANKLに対するヒト型モノクローナル抗体です。

● 用法・用量: 6ヵ月に1回60mg皮下注

 

作用:
RANKLとRANKの結合を阻害することで、破骨細胞の成熟を抑制します(表2)。

 

表2 抗RANKL抗体の作用機序

Premiere Book Part.7:Micelle より転載

 

副作用:

低カルシウム血症:定期的に血清カルシウム値を測定する必要があります。特に腎機能障害患者には注意が必要です。

 

② カルシトニン製剤

● 一般名: エルカトニン(先発品:エルシトニン)

● 用法・用量: 1回10単位、週2回筋注、または1回20単位、週1回筋注

 

作用:
破骨細胞のカルシトニン受容体に作用し、破骨細胞の活性を低下させ、骨吸収を抑制します。また、中枢性鎮痛作用を示します。

 

副作用:

肝障害、黄疸、悪心・嘔吐、腹痛など

 

特徴:
骨粗鬆症における疼痛改善を目的に使用されます(即効性はありません)。

 

③ イソフラボン製剤

● 一般名: イプリフラボン(先発品:オステン)

● 用法・用量: 1回200mgを1日3回食後に経口投与

 

作用:
女性ホルモン様作用を示し、直接的な骨吸収抑制作用とエストロゲンのカルシトニン分泌促進作用を増強します。また、間接的な骨吸収抑制作用と骨形成促進作用も示します。

 

次回のブログでは、副甲状腺ホルモン製剤についてお話しします。
骨粗鬆症は早期に対応することが非常に重要ですので、気になる方は早めにご相談ください。

 

参考文献

Premiere Book Part.7:Micelle

 

骨粗鬆症についての、過去のくまのまえブログは下記を参照してください。

① 「当院の骨粗鬆症診療:骨の構造・骨の代謝回転について」。

② 「当院の骨粗鬆症診療:カルシウムイオン(Ca²⁺)の体内動態について」。

③ 「当院の骨粗鬆症診療:ビタミンD3の活性化機序について」。

④ 「当院の骨粗鬆症診療:各論①」。

⑤ 「当院の骨粗鬆症診療:各論②」。

⑥ 「当院の骨粗鬆症診療:治療編①」。

⑦ 「当院の骨粗鬆症診療:治療編②」。

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