📚【脂肪性肝疾患の最新トピックス】MASLDって何?〜最新の脂肪性肝疾患の概念を学びました〜
こんにちは。
今回は、お盆休みを利用して受講した「日本肝臓学会2025年度第1期eラーニング」の内容から、注目の新分類「MASLD(マッスルディー)」について、最新情報を皆さんにわかりやすくお届けします。
🔍脂肪性肝疾患(steatotic liver disease: SLD)とは?
これまでは「脂肪肝(Fatty Liver)」という名称が一般的で、
主に非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と
アルコール関連肝疾患(ALD)に大別されてきました。
しかし近年、こうした名称が差別的・スティグマ的とされ、2023〜2024年にかけて、より中立的かつ科学的な新分類が国際的に導入されました。
🆕脂肪性肝疾患の新分類
グループ名 |
特徴 |
備考 |
MASLD (代謝機能障害関連脂肪性肝疾患) |
脂肪肝+心代謝リスク因子を1つ以上持つ |
≒ NAFLDの多くが該当(図1) |
MetALD (代謝機能障害アルコール関連肝疾患) |
MASLDに該当し、かつ適度な飲酒がある |
男性:210–420g/週 女性:140–350g/週 |
ALD (アルコール関連肝疾患) |
多量飲酒による脂肪性肝疾患 |
男性:>420g/週 女性:>350g/週 |
Specific aetiology SLD (特定成因脂肪性肝疾患) |
薬剤・遺伝疾患・低栄養など |
ウイルソン病、 薬剤性肝障害など |
Cryptogenic SLD (特定成因脂肪性肝疾患) |
心代謝リスクなし・原因不明 |
MASLDに当てはまらない群 |
📚脂肪性肝疾患の名称から“Fatty”や“Alcoholic”といった偏見につながる語が排除され、より中立的で科学的な分類に改訂されました。
(図1)
💡MASLDとは?(Metabolic dysfunction-associated Steatotic Liver Disease)
診断基準:脂肪肝+以下の心代謝リスクのうち1つ以上
1️⃣ 肥満:BMI≧23kg/㎡(アジア人)またはウエスト 男性>94cm、女性>80cm
2️⃣ 糖代謝異常:空腹時血糖≧100mg/dL、HbA1c≧5.7%など
3️⃣ 高血圧:130/85mmHg以上、または降圧薬使用中
4️⃣ 高トリグリセリド血症:≧150mg/dL、または治療中
5️⃣ 低HDLコレステロール:男性≦40mg/dL、女性≦50mg/dL
🔍今後、日本人に適した基準のさらなる検討も期待されています。
🧬なぜ今、MASLDが注目されているのか?
🔸肝硬変の主な原因とされていたウイルス性肝炎が、近年の医療の進歩により減少し、その一方で、脂肪肝に関連する非ウイルス性の肝疾患が増加している
🔸世界的なMASLDの有病率は約30%〜38%とされ、決して稀な病気ではありません
🔸肝がんや心血管疾患のリスク因子としても重要
📉以前のNAFLD診断では除外診断(他の病気を除く)が必要でしたが、MASLDではより実用的な基準にアップデートされ、肝生検も必須ではなくなりました(図2)。
(図2)
🩺当院での診療について
当院では、肝臓専門医による診断・治療を行っています。
「健診で脂肪肝を指摘された」「最近お腹まわりが気になる」など、どんなことでもお気軽にご相談ください。
肝疾患は早期発見・早期介入がとても重要です。
📍くまのまえファミリークリニック
🔸愛知県名古屋市緑区兵庫1-411-2
📞 TEL:052-876-3351
🌐 WEB予約はこちら → [くまのまえファミリークリニック公式サイト]
💬まとめ
● MASLDは新しい脂肪性肝疾患の概念で、より現代の実情に合った診断が可能に
● メタボリックシンドロームや生活習慣病と密接に関連
● 自分の健康状態を把握することが、未来の肝臓を守る第一歩です!
📚お気軽に検査・相談にお越しください。
皆さまの健康を、チーム一丸でサポートいたします!