くまのまえブログ

📚 第218回 主治医連絡協議会講習会に参加しました!

令和7年8月20日(水)、診療後に「第218回 主治医連絡協議会講習会」に参加いたしました。
今回の講習会のテーマは、今後ますます重要になる「軽度認知症&MCIの早期発見と治療」についてです。

 

🏢 開催情報

● 日程:令和7年8月20日(水)

● 時間:20:30~21:30

● 会場:緑区休日診療所 大会議室

● 演題: 「軽度認知症&MCIを見逃さないために診察室でできる早期発見の工夫」
                 ~早期診断と抗アミロイドβ抗体薬の臨床応用~

● 演者:藤田医科大学病院 認知症・高齢診療科 武地 一 先生

● 座長:大清水クリニック 院長 柴田 真一 先生

 

 

👓 講演の主な内容

高齢化が進む現代日本では、認知症の早期発見と早期治療が、地域のかかりつけ医にとってますます重要になっています。

今回の講習会では、「MCI(軽度認知障害)」の見つけ方と、臨床現場でできる早期発見の工夫について、非常に実践的なお話を聞くことができました。以下に内容を簡潔にまとめます。

 

🧠 MCI(軽度認知障害)とは?

MCIとは?

● 物忘れの訴えが本人または家族からあり

● 標準的な記憶検査で年齢層より1~1.5SD低下

● MMSE 24点以上で、全体の認知機能はおおむね正常

● 日常生活(IADL)に軽度の支障がある

● 認知症の診断基準は満たさない

つまり、「まだ認知症ではないが、将来的に進行する可能性がある状態」です。

 

IADLの低下とは?

買い物、料理、銀行手続き、服薬管理など、自立した生活に欠かせない機能に支障が出始めるのがMCIの特徴です。

 

🗣 診察室での問診の工夫

🔸 問診の基本:まず5分、話をじっくり聞く

                             ● その後の5分で、以下のような具体的な確認を行うことが推奨されました:

                                 ○ 症状が始まった時期

                                 ○  訴える/訴えない症状(幻覚、転倒など)

                                 ○ 食事・睡眠・排泄などの健康状態

                                 ○ ADLに関わる行動(買い物、調理、銀行手続きなど)

                                 ○ 飲んでいる薬、飲酒歴

                                 ○ 家族構成や支援者の有無

※可能であれば、事前に家族から情報収集をしておくと診察がスムーズになります。

 

🧍‍♂️ 診察時の観察ポイント

入室時の歩行状態

表情や感情の表現

世間話やニュースに対する反応

上肢の筋緊張やバレー徴候、姿勢反射など

「きつね・鳩のまね」などによる構成失行の確認

これらを自然な会話や身体所見の流れでチェックすることで、患者さんに負担をかけずに観察できます。

 

📰 ニューステスト(簡易スクリーニング)

質問例:
「最近、テレビや新聞で見たニュースで、覚えているものを2つぐらい教えてください。」

正常反応:具体的に2つのニュースが挙げられる

⚠️ 要注意反応:「最近見ていない」「興味がない」などのあいまいな回答

この簡単な質問で、近時記憶や関心の程度を把握することができます。

 

💉 抗アミロイドβ抗体薬について

今回の講演では、アルツハイマー型認知症の早期段階(MCI・軽度認知症)で使用できる抗アミロイドβ抗体薬の解説もありました。
今後さらに注目される治療法ですので、別の機会に詳しくお伝えできればと思います。

 

📝 まとめと感想

認知症は誰にとっても身近な問題であり、私たち地域のホームドクターが担うべき役割も非常に大きいと再認識しました。

今回学んだ内容は、日々の診療で活かしていく所存です。くまのまえファミリークリニックでは「認知症サポート医」である医師が、患者さんやご家族からの相談もお受けしています。

「もしかして…」と思う症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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