くまのまえブログ

🌟第63回 緑区医師会 学びなおしセミナーに参加しました!

令和7年5月14日(水)20:30〜21:30
会場:緑区休日診療所 大会議室

今回は
📚「これからの時代に必要な高齢者認知症睡眠マネジメント」
というテーマで、
👨‍⚕️日本赤十字社愛知医療センター 名古屋第一病院 総合診療科 副部長 宮川 慶先生のご講演を拝聴しました。

 

 

🩺診療後に参加してきました!
不眠でお困りの高齢の患者さんは非常に多く、日々の外来でも睡眠薬(眠剤)を処方する機会は少なくありません。
かつては依存性の高い薬が「当たり前」のように使われていましたが、今や睡眠マネジメントは医療現場で重要なテーマとなっています。

 

💡今回の学びのポイントをご紹介します

🔹① 高齢者・認知症患者さんの睡眠の質低下は、
→ BPSD(認知症に伴う行動・心理症状)・転倒・せん妄のリスクを高めます。
→ 睡眠マネジメントにより、これらリスクの低下が可能です!

 

🔹② 睡眠不足・睡眠リズムの乱れは、
→ 循環器疾患・糖尿病などの生活習慣病発症と関連。

 

🔹③ 睡眠マネジメントは、せん妄ハイリスク患者さんに特に重要
該当するのは以下のような方々:
75歳以上/認知症/脳梗塞後/せん妄既往歴/アルコール依存/ベンゾジアゼピン系依存

 

🔹④ 高齢者は不眠になりやすい
→ 睡眠の質・量・リズムすべてに影響が出る

 

🔹⑤ 推奨される睡眠薬は依存性の低いもの

● オレキシン受容体拮抗薬
 ベルソムラ🄬(スボレキサント)、デエビゴ🄬(レンボレキサント)、クービビック🄬(ダリドレキサント)

● メラトニン受容体作動薬
 ロゼレム🄬(ラメルテオン)

 

🔹⑥ 目標は睡眠効率85%以上!
→ 睡眠効率=「睡眠時間 ÷ ベッドにいた時間」
遅寝早起きのススメで、質の高い眠りを。

 

🔹⑦ 簡単にできる睡眠衛生指導🌞

  • 日中の活動・運動:睡眠の質向上に直結
  • 朝の光浴び:朝6~7時に日光を浴びると、夜9時に自然な眠気が誘導されます

 

🔹⑧ 依存性の問題

  • ベンゾジアゼピン受容体作動薬(GABA作動薬)は、長期使用で依存性が高くなる
  • 6ヶ月以上で33%、1年以上では82%が依存状態になる可能性
  • 中止時に「反跳性不眠」「離脱せん妄」が起こることも…

 

🏥今回特に印象的だったのは、「入院患者さんにおける睡眠マネジメントの重要性」です。
宮川先生のご報告では、適切な介入によって転倒率が明らかに低下している
とのことでした。

私たち開業医も、日々の診療の中で、「将来入院となった際にせん妄を起こさないための備え」としての睡眠管理を意識する必要があると、あらためて感じました。

 

📝今後の診療にも活かしてまいります!
高齢者医療における睡眠の質の大切さを再認識した1時間でした。
引き続き、学びを続けながら、地域医療に貢献してまいります。

🌙最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

くまのまえファミリークリニック