潰瘍性大腸炎の新しい経口ステロイド
今回は令和5年9月1日に新しく販売された潰瘍性大腸炎(UC: Ulcerative Colitis)の経口ステロイド薬であるブデソニド(商品名コレチメント)についてお話します。
適応は活動期潰瘍性大腸炎(重症を除く)で、用法用量は「成人には1日1回、9mgを朝に経口投与する」となっています。
コレチメントは、局所作用型のステロイドであるブデソニドを有効成分とする経口薬です。MMX®テクノロジー(有効成分を大腸へ送達し、持続的に放出することを可能にする Drug Delivery System)により、標的部位の大腸にブデソニドが運ばれ、同部位で持続的に放出されるように設計されています。また、ブデソニドは肝初回通過効果によって糖質コルチコイド活性の低い代謝物となります。そのため、 全身に曝露される糖質コルチコイド活性が軽減され、ステロイドによる副作用が少なくなると考えられます。海外では、既に 75 以上の国または 地域で承認されています。
当院には多くの潰瘍性大腸炎の患者さんが来院し、ガイドラインに沿った適切な治療を提供しております。血便・下痢が続いてお困りの方や、すでに診断されており、治療の継続をご希望の方など受診していただければと思います。