くまのまえブログ

当院の脂質異常症診療について

脂質異常症は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)のバランスが崩れ、心血管疾患などのリスクが高まる状態です。当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療を提供し、健康をサポートしています。今回は、主な脂質異常症である「高LDL血症」と「高TG血症」の治療について詳しくご紹介します。

高LDL血症

高LDL血症は、「悪玉コレステロール」とも呼ばれるLDLコレステロールが高値を示す状態です。この状態が続くと、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。(くまのまえブログ「悪玉コレステロール」はこちらです)

治療

高LDL血症の治療には、主に薬物療法と生活習慣の改善が重要です。当院では以下の治療法を取り入れています。

● スタチン系製剤 (HMG-CoA還元酵素阻害薬): スタチンは、LDLコレステロールの合成を抑えることで、血中のLDLコレステロールを低下させます。これにより、動脈硬化の進行を抑える効果があります。

● 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬: 小腸においてコレステロールの吸収を抑制し、食事や胆汁由来のコレステロールが血液中に移行するのを防ぎます。その結果、血中のLDLコレステロールを低下させます。

● 栄養指導: 低脂肪・低コレステロールの食事を心がけるようアドバイスします。食事内容を見直すことで、薬物治療の効果をサポートします。

● 運動療法: 定期的な運動を取り入れることで、脂質代謝を改善し、LDLコレステロールの低下に寄与します。

高TG血症

高TG血症は、血中の中性脂肪(TG)が異常に高い状態です。これも動脈硬化や心血管疾患のリスクを高める要因となります。

治療

高TG血症の治療には、脂肪の摂取を抑えることや、血液中の脂肪代謝を改善する薬物療法が重要です。

● フィブラート製剤: フィブラートは、中性脂肪を減少させる作用があり、HDL(善玉コレステロール)を増加させる働きもあります。これにより、血中の脂質バランスが改善されます。

● 多価不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸): 魚油に含まれるオメガ3脂肪酸は、中性脂肪を低下させる効果があり、生活習慣病予防にも役立ちます。

● 栄養指導: 高TG血症の方には、糖質や飽和脂肪酸の摂取を減らし、食物繊維やオメガ3脂肪酸を多く含む食品を積極的に摂ることが推奨されます。

● 運動療法: 適切な運動を行うことで、脂肪代謝が改善され、中性脂肪を減少させる効果が期待できます。

内径頸動脈プラークとの関連

高LDL血症や高TG血症は、動脈硬化を進行させ、内径頸動脈にプラーク(脂肪沈着物)が形成される原因となります。これが進行すると、脳梗塞やその他の重大な循環器疾患を引き起こす可能性があるため、脂質異常症の治療が非常に重要です。頸動脈エコーは動脈硬化の有無や進行の程度を簡便に調べることができるため、定期的に受けることをおすすめしております。

当院の特徴

当院では、脂質異常症の治療において、日本内科学会総合内科専門医による的確な診断と治療を提供しています。また、管理栄養士による栄養指導を行い、患者様の食事面からもサポートしています。生活習慣の改善と薬物療法の併用により、より効果的な治療を実施しています。

健診などで脂質異常症を指摘された方は、ぜひ一度当院にご相談ください。専門的な治療とサポートを通じて、健康な生活を取り戻すお手伝いをさせていただきます。

 

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