第62回 緑区医師会学びなおしセミナーに参加しました!
令和7年4月9日(水)20時30分から21時30分まで、緑区休日診療所の大会議室で開催された「第62回 緑区医師会学びなおしセミナー」に参加してきました。
今回のセミナーでは、藤田医科大学医学部整形外科の藤田順之教授をお招きし、演題「側弯症の診断と治療-思春期特発性側弯症を中心に-」について学びました。
私は、名古屋市立神沢中学校および名古屋市立神の倉小学校で内科の学校医を務めており、内科検診で必須となる観察項目の一つに「側弯症」があります。今回のセミナーでは、この側弯症についての最新の知見を得ることができ、大変有意義な時間を過ごしました。
講義内容
藤田教授から教えていただいた内容をいくつかご紹介いたします。
正常な脊椎は、正面から見るとまっすぐで、側面から見ると頚椎は前弯、胸椎は後弯、腰椎は前弯という形状をしています。しかし、脊椎側弯症は、正面から見た変形による側弯、側面から見た前弯や後弯の異常、さらに側弯に伴う回旋という三次元的な捻じれが特徴です。
側弯症の臨床所見
1. 体幹の非対称変形
● 肩の高さが非対称
● 腰のくびれが非対称
● 体幹のバランス不良
● 骨盤傾斜
● 肩甲骨部の隆起
● 前屈位でのHUMP(ハンプ)
2. 腰痛・背部痛
セミナーで特に印象的だったのは、検診での診察方法の工夫についてです。現在、上半身を裸にして診察を行うことが難しくなっています。そのため、側弯症を診断するための有効な手段として、HUMP(ハンプ)の計測が紹介されました。体を前にかがめた際、背中や腰部分が盛り上がる現象を「ハンプ」と呼び、重度になればなるほど目立つようになります。このハンプの観察が、側弯症の早期発見に役立つことを学びました。
思春期特発性側弯症
特に多くの症例を占める特発性側弯症についても学びました。特発性側弯症は、原因が不明であり、脊柱に明らかな異常がなく、全身疾患や脊髄異常も認められないことが特徴です。
また、側弯症は発症時期によって分類されます。
● 乳児期側弯症(3歳未満)
● 若年期側弯症(4-9歳)
● 思春期側弯症(10歳以上)
特に思春期に発症する側弯症は、学校検診で早期発見が重要です。
学びを生かして
学校検診の季節が近づいてきました。今回学んだ内容を、今後の検診に活かし、側弯症を早期に発見していきたいと考えています。藤田教授からの貴重なご講義を通じて、患者さんへの対応の質がさらに向上したと実感しています。
引き続き、医師として学び続け、地域医療に貢献していきたいと思います。