くまのまえブログ

📖 名古屋内科医会 第604回 例会を聴講しました

 令和7年4月19日(土)に開催された「名古屋内科医会 第604回 例会」に、Web配信で参加いたしました。診療後の時間帯でしたが、オンライン開催のおかげで無理なく視聴することができ、大変有意義な時間となりました。

 

🗣 演題

「MASLD/MASH関連の最新トピックス 〜生活習慣治療の重要性を含めて〜」
講師:名古屋大学大学院医学系研究科 消化器内科学 准教授 本多 隆先生

脂肪性肝疾患は年々増加しており、当院にも健診で肝機能異常を指摘され、受診される患者さんが多数いらっしゃいます。今回の講演では、そうした肝疾患の最新の知見と今後の治療方針に役立つ内容が数多く紹介されました。

 

📝 主な講演内容

1. MASLD/MASHの定義と分類

2. MASHの疫学

3. MASHの病因・病態

4. MASHの予後

5. MASHの診断

6. MASHの治療

 

🧬 MASLDとは?

MASLDは、「Metabolic dysfunction-Associated Steatotic Liver Disease(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)」の略です。
これは、肝臓に過剰な脂肪が蓄積し、さらに以下のような心血管代謝異常のリスク因子のいずれかを伴うことで診断される疾患です。

● 肥満(アジア人ではBMI 23以上)

● 2型糖尿病

● 高トリグリセリド血症

● 低HDLコレステロール血症

● 高血圧

 

また、アルコールによる肝障害でないことが診断に必要であり、下記の基準(エタノール換算)を満たす必要があります。

● 男性:30g/日未満

● 女性:20g/日未満

 

従来はNAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)と呼ばれていましたが、より明確な定義としてMASLDへと改訂されつつあります。NAFLDのうち、MASLDの基準を満たさない症例は全体の2.2%との報告もあります。

 

🔬 MASHとは?

MASLDの中でも、肝臓に炎症や線維化の進行がみられる状態を**MASH(Metabolic dysfunction-Associated Steatohepatitis)**と呼びます。

この診断は、主に肝生検で以下の所見が確認された場合にされます:

● 炎症細胞の浸潤

● バルーニング(肝細胞の膨化変性)

● 線維化(肝組織の硬化)

MASHが進行すると、将来的に肝硬変肝がんへと移行するリスクが高くなります。早期発見と的確な治療が非常に重要です。

 

他にも治療方法や詳しい内容についてたくさんのことを学びましたが、今回は特に重要なポイントに絞ってご紹介させていただきました。治療に関する詳細については、また別の機会にお話しできればと思います。

 

🏥 当院での取り組み

当院では、MASLDおよびMASHと診断された患者様に対し、

● 肝臓専門医による丁寧な生活習慣指導

● 必要に応じた薬物治療

を実施しております。

脂肪肝は「症状がないから大丈夫」と思われがちですが、放置すれば進行してしまうことも少なくありません。定期的な検査と生活の見直しが、健康維持の鍵となります。

私たちは、常に最新の医療情報を学び、患者様に還元できるよう努めてまいります。

 

📣 最後に

● 健診で肝機能異常を指摘された

● 脂肪肝と言われたが、何をすればよいか分からない

このようなお悩みをお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
初回のご相談から、丁寧に対応させていただきます。

 

ご予約・お問い合わせは
📞 TEL:052-876-3351
🌐 くまのまえファミリークリニック公式サイト
までお気軽にどうぞ。

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