🩺 胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは?: 原因・症状・治療法
「みぞおちが痛い…」
「胃がもたれる…」
「黒い便が出た…」
そんな症状は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍が原因かもしれません。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は適切な治療を行えば改善する病気ですが、放置すると出血・穿孔(穴が開く)・腹膜炎など命に関
る状態になることもあります。
今回は胃潰瘍・十二指腸潰瘍について、原因から症状、検査、治療、予防法まで詳しく解説します。
📖 胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは?
胃や十二指腸の粘膜は、強い胃酸や消化酵素から守られています。
しかし、
● ピロリ菌感染
● 痛み止め(NSAIDs)
● ストレス
● 喫煙
● 飲酒
などによって防御機能が低下すると、胃酸によって粘膜が傷つき、深い傷(潰瘍)ができます。
これを総称して
✅ 消化性潰瘍と呼びます。
🔍 胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違い

胃潰瘍は食後に症状が出やすく、十二指腸潰瘍は空腹時や夜間・明け方に症状が出やすいという特徴があります。
⚠️ 主な原因
① ピロリ菌感染
最も多い原因です。
ピロリ菌は胃粘膜に慢性的な炎症を起こし、
➡️ 胃炎
➡️ 胃潰瘍
➡️ 十二指腸潰瘍
➡️ 胃がん
につながることがあります。
幼少期に家庭内感染することが多いとされています。
② NSAIDs(痛み止め)
代表的な薬剤
💊 ロキソプロフェン(ロキソニン®)
💊 ジクロフェナク
これらは胃粘膜を守る働きを弱めるため、
特に
● 高齢者
● 長期服用中の方
では注意が必要です。
③ ストレス
強いストレスや睡眠不足は
● 胃酸分泌増加
● 胃血流低下
を引き起こします。
④ 喫煙・飲酒
🚬 喫煙
🍺 過度の飲酒
は胃粘膜の修復を妨げ、潰瘍を悪化させます。
⑤ 胃がんとの鑑別が重要
胃がんの中には胃潰瘍に似た形態を示すものがあります。
そのため、胃潰瘍が見つかった場合には組織検査(生検)を行い、胃がんが隠れていないか確認することが重要です。
🚨 こんな症状は要注意
初期症状
✅ みぞおちの痛み
✅ 胃もたれ
✅ 胸やけ
✅ 酸っぱいげっぷ
✅ 吐き気
✅ お腹の張り
✅ 食欲低下
重症化すると…
🩸 消化管出血
● 吐血
● 黒色便(タール便)
がみられます。
🕳️ 穿孔(せんこう)
胃や十二指腸に穴が開く状態です。
突然の激しい腹痛が出現します。
緊急手術が必要となることがあります。
🚑 腹膜炎
穿孔によって胃液が腹腔内に漏れると、命に関わる腹膜炎を起こします。
🔬 診断方法
① 胃カメラ(上部内視鏡検査)
最も重要な検査です。
確認できること
✅ 潰瘍の有無
✅ 深さ
✅ 出血の有無
✅ 胃がんとの鑑別
✅ 組織検査
② ピロリ菌検査
非侵襲的検査(内視鏡不要)
● 血液検査
● 便検査
● 尿素呼気試験
侵襲的検査(内視鏡が必要)
● 培養法
● 鏡検法
● 迅速ウレアーゼ試験
● PCR法
などがあります。
③ 血液検査
● 貧血
● 炎症反応
などを確認します。
💊 治療方法
薬物療法
|
薬剤 |
作用 |
|
PPI |
胃酸を強力に抑える |
|
P-CAB |
より強力な胃酸抑制 |
|
H2ブロッカー |
胃酸抑制 |
|
胃粘膜保護薬 |
粘膜保護 |
|
除菌療法 |
ピロリ菌を除去 |
📝 P-CABとは?
P-CAB(Potassium-Competitive Acid Blocker)は、
従来のPPIよりも速やかかつ強力に胃酸分泌を抑制する薬剤です。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療だけでなく、
● 逆流性食道炎
● ピロリ菌除菌療法
● NSAIDs潰瘍予防
などにも広く使用されています。
👉 胃潰瘍・十二指腸潰瘍治療の中心となる薬剤です。
詳しくは過去のブログ「📌胃酸をしっかり抑える選択肢『P-CAB』とは?」をご覧ください。
ピロリ菌陽性の場合
まず潰瘍の治療を行い、粘膜の状態が落ち着いてから除菌治療を行います。
💊 抗生物質2種類+P-CAB
を1週間内服します。
除菌成功により潰瘍の再発率は大きく低下します。
内視鏡治療
出血している場合は、胃カメラで止血処置を行います。
手術
以下の場合に検討します。
● 出血が止まらない
● 穿孔
● 狭窄
● 保存的治療で改善しない
📸 胃潰瘍治療例

症例
● 81歳女性
● 胃体上部小弯後壁
治療前は活動期胃潰瘍(A1 stage)を認め、潰瘍底は白色で露出血管を伴っていました。
胃酸分泌抑制薬(P-CAB)および胃粘膜保護薬による治療を行ったところ、8週間後には潰瘍は消失し、瘢痕期(S1 stage
へ移行しました。
💡 適切な治療により、出血や穿孔などの重篤な合併症を防ぎ、良好な治療成績が期待できます。
🍽️ 胃にやさしい食生活
おすすめ
✅ おかゆ
✅ 豆腐
✅ 白身魚
✅ 蒸し野菜
✅ キャベツ
控えたいもの
❌ 香辛料
❌ カフェイン
❌ 高脂肪食
❌ アルコール
❌ 暴飲暴食
🛡️ 再発予防のポイント
✅ ピロリ菌除菌
✅ 禁煙
✅ 節酒
✅ 規則正しい食事
✅ 十分な睡眠
✅ ストレス管理
✅ NSAIDsの長期使用に注意
⚠️ 特に注意していただきたいこと
ロキソプロフェン(ロキソニン®)などの痛み止めを長期間服用されている方は、症状がなくても潰瘍ができていること
あります。
また、胃潰瘍の一部には胃がんが隠れていることがあります。
👉 胃潰瘍と診断された方は、治癒確認と胃がんの除外のため、必ず胃カメラによる再検査を受けましょう。
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