🌿 黄耆(おうぎ)とは?効果・効能をホームドクターが解説|漢方生薬シリーズ①
🌿 漢方生薬シリーズ① 「黄耆(おうぎ)」とは?
~元気・免疫・汗・むくみを支える“補気薬の王様”~
「最近疲れやすい…」
「汗をかきやすい…」
「体力が落ちた気がする…」
そんな“気(エネルギー)不足”の状態に古くから用いられてきた生薬が 黄耆(おうぎ) です。
前回ご紹介した夏バテの漢方薬 清暑益気湯(せいしょえっきとう) にも配合されている重要な生薬の一つです。
清暑益気湯について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
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🌱 黄耆とは?
黄耆は、マメ科のキバナオウギ・ナイモウオウギの根を乾燥させた生薬です。
生薬名のラテン語では、
ASTRAGALI RADIX(アストラガリ・ラディックス)
と呼ばれます。
主な産地は中国を中心とした寒冷で乾燥した地域で、数年かけて育てられた根を秋に収穫し、乾燥させて使用します。
夏には蝶のような淡い黄色の花を咲かせます。
📊 黄耆の基本情報

🏆 なぜ「黄耆」という名前なの?
「黄」は花の色である黄色を意味します。
一方、「耆(き)」には「長(おさ)」「優れたもの」という意味があります。
古い中国の医学書では、
“虚弱な体を補う生薬(補剤)の中でも最高クラスの存在”
という意味から、「黄耆」と名付けられたと伝えられています。
💪 黄耆の主な6つの働き

① 補気昇陽(ほきしょうよう)
不足した“気”を補い、胃下垂や脱肛などの内臓下垂を改善します。
② 補気摂血(ほきせっけつ)
気の力を高め、出血しやすい状態を改善します。
③ 補気行滞(ほきこうたい)
気の巡りを整え、だるさや倦怠感を改善します。
④ 固表止汗(こひょうしかん)
皮膚を守る「衛気(えき)」を補い、汗をかきやすい体質や寝汗を改善します。
⑤ 托瘡生肌(たくそうせいき)
傷の治癒や皮膚の回復を助けます。
⑥ 利水消腫(りすいしょうしゅ)
余分な水分を排出し、むくみや尿量低下を改善します。
🛡 黄耆と免疫の関係
漢方医学では、皮膚の表面を巡る防御エネルギーを 「衛気(えき)」 と呼びます。
衛気は、
🦠 細菌
🧬 ウイルス
🌲 花粉
❄ 冷え
など外からの刺激から体を守る働きをしています。
黄耆は、この衛気を補う代表的な生薬です。
そのため、
✅ 風邪をひきやすい
✅ 汗をかきやすい
✅ 寝汗が多い
といった方に使用されます。
代表的な漢方薬が 玉屏風散(ぎょくへいふうさん) です。
🚰 黄耆は「水の巡り」も改善します
黄耆には、体表に停滞した余分な水分を取り除く作用があります。
そのため、
💧 むくみ
💧 汗の異常
💧 尿量低下
などに用いられます。
代表的な漢方薬が 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう) です。
特に、
「色白でぽっちゃり体型」「疲れやすい」「汗をかきやすい」
という体質の方に使われることがあります。
🌿 黄耆を含む代表的な漢方薬

【代表的な処方】
🌿 清暑益気湯
🌿 補中益気湯
🌿 十全大補湯
🌿 人参養栄湯
🌿 黄耆建中湯
🌿 防已黄耆湯
🌿 玉屏風散
🌿 七物降下湯
🌿 帰脾湯
🌿 当帰飲子
🌿 清心蓮子飲
🌿 補陽還五湯
🍲 黄耆は世界でも利用されている生薬
黄耆は英語で Astragalus(アストラガルス) と呼ばれ、海外では健康食品やハーブとしても利用されています。
また、韓国料理の 参鶏湯(サムゲタン) に使われることでも知られています。
近年では、黄耆に含まれる成分について、
✔ 免疫調節作用
✔ 利尿作用
✔ 血圧への作用
✔ 抗アレルギー作用
などの研究が進められています。
ただし、健康食品としての効果については、病気の予防や治療効果が十分に確立されているわけではありません。
📝 まとめ
黄耆は、古くから使用されている代表的な 補気薬 です。
特に、
✅ 疲れやすい
✅ 食欲がない
✅ 風邪をひきやすい
✅ 汗をかきやすい
✅ むくみやすい
といった「気虚(エネルギー不足)」の体質に用いられます。
黄耆は、人参と並ぶ補気薬の代表であり、両者を組み合わせた漢方薬は 「参耆剤(じんぎざい)」 と呼ばれます。
前回ご紹介した清暑益気湯も、暑さによって弱った胃腸や体力を回復するために、黄耆が重要な役割を担っています。
📍 くまのまえファミリークリニック
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