くまのまえブログ

🔍 大腸憩室とは?①|原因・症状・大腸カメラで見つかったときの注意点を解説

🏥 大腸カメラで「憩室があります」と言われたことはありませんか?

健康診断や大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けた際に、

「大腸に憩室(けいしつ)がありますね」

と言われたことはありませんか?😊

「大腸憩室って何?」

「大腸ポリープとは違うの?」

「放っておいても大丈夫?」

「大腸がんになることはないの?」

と心配される患者さんも少なくありません。

 

実は、大腸憩室は年齢とともに増える、比較的よくみられる大腸の変化です。

そして、大腸憩室が見つかったからといって、

必ず治療が必要になるわけではありません。

 

しかし、憩室から出血したり、炎症を起こしたりすると、

血便や腹痛、発熱などの症状が現れることがあります。

 

今回は、2026年に改訂された

日本消化管学会の『大腸憩室症(憩室出血・憩室炎)ガイドライン2026 改訂第2版』を参考に、

大腸憩室の原因・症状・検査・食事・日常生活での注意点について、

消化器内科医の立場からわかりやすく解説します。✨

 

 

🔍 ① 大腸憩室とは?大腸の壁にできる小さなポケット

大腸憩室(だいちょうけいしつ)とは、

大腸の壁の一部が外側に向かって袋状に飛び出した状態のことです。

 

大腸は約1.5mの長さを持つ管状の臓器で、

食べ物の残りから水分を吸収し、便を形成する働きをしています。

 

大腸の壁には血管が通るため、筋肉の層が弱くなっている部分があります。

その部分から腸の内側の粘膜などが外側に押し出され、

小さな袋状の構造ができると考えられています。

これが「大腸憩室」です。

大腸カメラでは、腸の壁にできた小さな穴やくぼみのように見えます。

 

🔴 大腸ポリープとは何が違うの?

大腸ポリープと大腸憩室は、まったく異なるものです。

● 🔴 大腸ポリープ:大腸の内側に向かって盛り上がったもの

● 🔵 大腸憩室:大腸の外側に向かって袋状に飛び出したもの

 

つまり、

ポリープは「出っ張り」、

憩室は「くぼみ」

と考えるとわかりやすいでしょう。

 

また、大腸憩室そのものが大腸がんに変化するわけではありません。

ただし、大腸憩室とは別に、大腸ポリープや大腸がんが存在する可能性はあります。

そのため、年齢や症状に応じて適切な検査を受けることが大切です。

 

📊 ② 大腸憩室はどれくらいの人にあるの?

大腸憩室は決して珍しいものではありません。

日本でも大腸憩室を持つ方は増加傾向にあり、

特に年齢が高くなるほど発見されやすくなります。

 

また、男性に多い傾向が報告されています。

ただし、発見される割合は年齢や検査対象によって異なります。

 

🇯🇵 日本人では右側の大腸に多い

大腸憩室ができる場所には特徴があります。

 

日本人では、比較的若い年代では盲腸や上行結腸など、右側の大腸に多くみられます。

一方、年齢が高くなるにつれて、下行結腸やS状結腸など左側の大腸にも増える傾向があります。

 

欧米では左側の大腸、特にS状結腸に多いことが知られています。

 

つまり、日本人と欧米人では、大腸憩室のできやすい場所に違いがあるのです。

ただし、憩室ができる場所や数には個人差があります。

⭐ 大切なのは、憩室が多いからといって、必ず症状が出るわけではないということです。

 

🌀 ③ 大腸憩室ができる原因は?

大腸憩室ができる原因は、一つだけではありません。

以前は、便秘によって腸の内圧が高くなることが主な原因と考えられていました。

しかし、最近の研究では、必ずしも便秘の方に大腸憩室が多いわけではないことがわかってきました。

 

👴 ① 加齢による大腸壁の変化

年齢とともに、大腸の壁の構造や弾力性が変化します。

そのため、大腸の壁の弱い部分から憩室が形成されやすくなると考えられています。

 

🚽 ② 腸の動きや便通との関係

以前は「便秘が大腸憩室の原因」と説明されることが多くありました。

ところが、近年の研究では、便秘の方よりも、

排便回数が多い方や軟便・下痢傾向の方で大腸憩室が多いという報告もあります。

つまり、便秘だけが大腸憩室の原因というわけではありません。

 

🍔 ③ 食生活や生活習慣

食事内容、飲酒、喫煙、運動習慣なども研究されています。

ただし、これらの生活習慣と、症状のない大腸憩室ができることとの関係については、

まだ十分に解明されていない部分があります。

 

🧬 ④ 遺伝的な要因

大腸憩室のできやすさには、遺伝的な体質も関係していると考えられています。

このように、大腸憩室は加齢・遺伝的要因・腸の構造や動きなど、

さまざまな要因が関係して発生するものです。

 

😊 ④ 大腸憩室があっても症状がなければ大丈夫?

大腸憩室が見つかっても、多くの方は症状がありません。

そのため、健康診断や大腸カメラで偶然発見されることがよくあります。

 

そして、症状のない大腸憩室に対しては、通常、薬を飲んだり手術をしたりする必要はありません。

また、いったんできた憩室は自然に消えることはほとんどありません。

しかし、憩室が残っているからといって、必ず将来問題が起こるわけではありません。

 

⚠️ 注意したい2つの合併症

大腸憩室で特に注意したいのは、次の2つです。

 

🩸 大腸憩室出血

憩室の近くを通る血管が破れ、突然血便が出る病気です。

特徴は、腹痛を伴わずに出血することが多い点です。

 

🔥 大腸憩室炎

憩室とその周囲に炎症が起こる病気です。

特徴は、腹痛や発熱です。

 

右側の大腸で炎症が起これば右下腹部、

左側の大腸で炎症が起これば左下腹部が痛くなることがあります。

 

どちらも適切な診断と治療が必要になる場合があります。

なお、大量の血便や強い腹痛、意識が遠のくような症状がある場合には、

通常の外来診療を待たず、救急受診してください。

 

🔍 ⑤ 大腸憩室はどのような検査で見つかるの?

大腸憩室は、主に大腸内視鏡検査(大腸カメラ)や腹部CT検査などで発見されます。

 

📷 大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

大腸カメラでは、大腸の内側を直接観察できます。

そのため、憩室の有無だけでなく、ポリープや大腸がんなどの病気も確認できます。

 

また、大腸憩室がどの場所に、どの程度あるのかを観察することもできます。

ただし、憩室があるかどうかを調べるためだけに、

必ず大腸カメラを受ける必要があるわけではありません。

年齢や症状、これまでの検査歴などを考慮して判断します。

 

📖 当院の大腸内視鏡検査について、さらに詳しく知りたい方へ

「🔍【2026年】当院で大腸内視鏡検査を選択する人が多い理由:苦痛の少ない大腸カメラとは」でも、

当院の内視鏡検査の特徴について詳しくご紹介しています。

🔍【2026年】当院で大腸内視鏡検査を選択する人が多い理由:苦痛の少ない大腸カメラとは?

 

🖥️ 腹部CT検査

腹部CT検査では、大腸の壁やその周囲の状態を調べることができます。

特に、腹痛や発熱があり、大腸憩室炎が疑われる場合に重要な検査です。

 

🩺 血液検査

血液検査だけで大腸憩室の有無を診断することはできません。

しかし、憩室炎が疑われる場合には炎症反応を、

憩室出血が疑われる場合には貧血の有無などを確認するために行います。

当院では、患者さんの症状や検査歴を確認したうえで、必要な検査をご提案しています。

 

🥗 ⑥ 大腸憩室がある方の食事・生活習慣の注意点

「大腸憩室があると言われたけれど、食事で気をつけることはありますか?」

という質問もよくいただきます。

 

基本的には、症状のない大腸憩室があるという理由だけで、

特別な食事制限をする必要はありません。

ただし、健康的な食生活を心がけることは大切です。

 

🥬 食物繊維をバランスよく摂取する

野菜、果物、海藻、豆類、全粒穀物などを、毎日の食事に取り入れましょう。

食物繊維は便通を整えるために役立ちます。

 

ただし、食物繊維を多く摂れば大腸憩室が消えるわけではありません。

また、憩室出血を確実に予防できるというわけでもありません。

 

💧 適切な水分補給を心がける

水分不足は便を硬くし、便秘につながることがあります。

こまめに水分を補給しましょう。

ただし、心不全や腎臓病などで水分制限が必要な方は、

主治医の指示に従ってください。

 

🚶 適度な運動を習慣にする

ウォーキングなどの運動は、便通の改善や体重管理に役立ちます。

無理のない範囲で、継続できる運動を取り入れましょう。

 

🚭 禁煙・適正体重を心がける

喫煙や肥満は、大腸憩室炎などの合併症との関連が報告されています。

そのため、禁煙や適正体重の維持も大切です。

 

🌽 ゴマやナッツ類は食べても大丈夫?

以前は、ゴマやナッツ、トウモロコシなどが憩室に入り込み、

炎症を起こすのではないかと考えられていました。

 

しかし、現在では、大腸憩室があるという理由だけで、

これらの食品を一律に禁止する必要はないと考えられています。

 

ただし、憩室炎を起こしている最中は別です。

症状に応じて食事の調整が必要になるため、医師の指示に従ってください。

 

❓ ⑦ 大腸憩室について、よくある質問

 

Q1. 大腸憩室は自然に治りますか?

基本的には、一度できた憩室が自然に消えることはほとんどありません。

しかし、症状がなければ治療の必要がない場合がほとんどです。

 

Q2. 大腸憩室は大腸がんになりますか?

大腸憩室そのものが大腸がんに変化するわけではありません。

ただし、大腸がんが別に存在する可能性はあります。

血便や便通の変化などがある場合には、適切な検査が必要です。

 

Q3. 大腸憩室があると必ず出血しますか?

いいえ。大腸憩室を持っている方の多くは、出血することなく経過します。

ただし、一度憩室出血を起こした方では、再出血に注意が必要です。

 

Q4. 大腸憩室があるだけで定期的な大腸カメラが必要ですか?

憩室があるという理由だけで、頻繁な大腸カメラが必要になるわけではありません。

ただし、年齢、大腸ポリープの既往、家族歴、血便などの症状によって、検査の必要性は変わります。

 

🏥 ⑧ 大腸の健康が気になる方は当院へご相談ください

くまのまえファミリークリニックでは、

消化器病専門医が、大腸に関するさまざまな症状やお悩みについてご相談をお受けしています。

例えば、

「以前の大腸カメラで憩室があると言われた」

「最近、便通が変わってきた」

「大腸ポリープや大腸がんが心配」

「一度、大腸カメラを受けてみたい」

といった方は、お気軽にご相談ください。😊

 

当院では、患者さんの不安や身体的な負担に配慮し、

できるだけ苦痛の少ない大腸内視鏡検査を心がけています。

また、診察や検査の結果、CT検査や入院治療などが必要と判断した場合には、

地域の総合病院と連携し、適切な医療につなげています。

大腸憩室が見つかった方も、便通の変化や腹部症状が気になる方も、どうぞお気軽にご相談ください。🌸

 

📖 📖 当院の大腸内視鏡検査について、さらに詳しく知りたい方へ

当院のブログ

「🩺 苦痛の少ない大腸カメラの秘密 ~「軸保持短縮法」とは?~」でも、

当院の内視鏡検査の特徴について詳しくご紹介しています。

🩺 苦痛の少ない大腸カメラの秘密 ~「軸保持短縮法」とは?~

 

🌸 ⑨ まとめ|大腸憩室は必要以上に心配しなくても大丈夫!

大腸憩室は、年齢とともに増える比較的身近な変化です。

そして、大腸憩室が見つかっても、多くの場合は症状がなく、特別な治療は必要ありません。

 

ただし、憩室から出血したり、炎症を起こしたりすると、

血便や腹痛、発熱などの症状が現れることがあります。

そのため、大腸憩室を指摘されたことがある方は、

自分が憩室を持っていることを覚えておくとよいでしょう。

 

また、血便や腹痛などの症状が現れた場合には、

憩室以外の病気の可能性も考える必要があります。

大腸の健康について気になることがある方は、

早めにくまのまえファミリークリニックへご相談ください。😊

 

📖 次回予告|第2回は「大腸憩室出血」について解説します!

次回は、

「突然、真っ赤な血便が出た!」という場合に注意したい、

大腸憩室出血について詳しく解説します。

 

🩸 大腸憩室出血はなぜ起こるの?

🩸 腹痛がないのに血便が出るのはなぜ?

🩸 自然に止まることはあるの?

🩸 大腸カメラでどのように止血するの?

🚨 どんな症状があれば救急外来を受診すべき?

 

患者さんが適切なタイミングで受診できるよう、2026年版ガイドラインを参考に、わかりやすく解説します。

 

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📚 参考資料

日本消化管学会編集『大腸憩室症(憩室出血・憩室炎)ガイドライン2026 改訂第2版』(南江堂、2026年)

日本消化管学会・2026年版ガイドライン発刊のお知らせ

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