🌿 漢方生薬シリーズ③ : 当帰(とうき)とは?
こんにちは😊
くまのまえファミリークリニックです。
今回は、以前ご紹介した
🌞 清暑益気湯(せいしょえっきとう)
にも配合されている生薬の一つ、
🌿 当帰(とうき)
について詳しくご紹介します。
📌 くまのまえブログ
「🥵 暑さに負けない身体づくりに『清暑益気湯(せいしょえっきとう)』」はこちらです。

当帰は古くから、
🩸 「血(けつ)を補う生薬」
として知られています。
漢方薬では、主に次のような症状に用いられてきました。
● 冷え性
● 月経不順
● 生理痛
● 更年期に伴う症状
● 貧血傾向
● 疲れやすさ
● 血行不良
● 便秘
特に婦人科領域の漢方薬に多く配合されることから、当帰は「女性の聖薬」とも呼ばれています。
📷 当帰とは?
🌱 当帰ってどんな植物?
当帰は、セリ科の多年草です。
高さは約50~80cmほどまで成長し、初夏から夏にかけて白く小さな花をたくさん咲かせます。
葉はセリによく似ており、セロリのような独特の芳香があることも特徴です。
漢方薬の材料となるのは、主に根の部分です。
秋から冬にかけて根を収穫し、土などを取り除いた後、一般的には湯通しして乾燥させ、生薬として使用します。
📌 当帰の基本情報

🩸 当帰の主な働き
漢方医学における「血(けつ)」とは、単に血液だけを意味するものではありません。
身体の各部に栄養や潤いを届け、心身の働きを支えるものとして考えられています。
当帰には、主に次の2つの働きがあります。
🩸 血を補う「補血」
不足している「血」を補い、身体に栄養や潤いを与える働きです。
🔄 血を巡らせる「活血」
滞っている「血」の流れを整え、冷えや痛みなどの改善を助ける働きです。
つまり当帰は、
血を補いながら、血の巡りも整える
という特徴を持つ生薬です。
📊 当帰の代表的な作用

👩 なぜ「女性の聖薬」と呼ばれるの?
当帰は昔から、婦人科漢方の中心となる生薬として用いられてきました。
女性は月経のほか、妊娠・出産・授乳などによって「血」を消耗しやすいと漢方医学では考えられています。
「血」が不足した状態は、
「血虚(けっきょ)」
と呼ばれます。
血虚になると、次のような症状が現れることがあります。
● 顔色が悪い
● 立ちくらみがする
● 疲れやすい
● 手足が冷える
● 肌や髪が乾燥する
● 月経量が少ない
● 月経周期が乱れる
● 生理痛がある
● 眠りが浅い
● 動悸や不安感がある
当帰は、不足した「血」を補い、巡りを整えることで、これらの症状の改善を助ける目的で配合されます。
特に、
✅ 月経不順
✅ 生理痛
✅ 冷え性
✅ 更年期に伴う症状
✅ 貧血傾向
✅ 妊娠・出産に関連した体調不良
などに用いられる漢方薬の重要な構成生薬です。
🧬 当帰に含まれる主な成分
当帰には、さまざまな成分が含まれています。
代表的なものには、次のような成分があります。
● フタリド類 例:リグスチリド
● クマリン類
● ポリアセチレン類
● 精油成分
● 多糖類
● コリン
● 有機酸類
これらの成分が複合的に働き、血流や痛み、炎症などに関係する作用を示す可能性が研究されています。
ただし、漢方薬は一つの成分だけで作用するものではなく、
複数の生薬を組み合わせることで全体として効果を発揮すると考えられています。
🌿 当帰は便秘にも使われます
当帰は婦人科症状だけに使用される生薬ではありません。
漢方医学では、当帰には
💧 腸に潤いを与える「潤腸作用」
があると考えられています。
そのため、身体の潤いが不足して便が硬くなっているタイプの便秘、
いわゆる乾燥タイプの便秘に用いられることがあります。
代表的な漢方薬には、
✅ 潤腸湯(じゅんちょうとう)
があります。
潤腸湯では、当帰に加えて大黄・桃仁・杏仁などを組み合わせ、腸を潤しながら便通を整えます。
📖 「当帰」という名前の由来
当帰という名前には、いくつかの由来が伝えられています。
その一つが、昔の中国にまつわる物語です。
病弱で子どもに恵まれなかった妻が、夫のもとを離れて実家へ戻されてしまいました。
しかし、その妻が当帰を服用して元気を取り戻したところ、再び夫のもとへ戻ることができたといわれています。
夫のもとへ
「当に帰るべし」
「まさに帰るべきである」
という状況になったことから、この薬草を「当帰」と呼ぶようになったという説です。
医学的な由来ではありませんが、身体だけでなく心まで温かくなるような、漢方らしい逸話として語り継がれています。
💊 当帰が含まれる代表的な漢方薬

🌍 海外でも知られている当帰
当帰は、欧米では
Dong Quai(ドン・クアイ)
という名前でも知られています。
女性向けのハーブとして紹介されることが多く、サプリメントなどに使用される場合もあります。
ただし、日本で漢方薬に使用される当帰と、海外で流通している中国産の当帰では、
基原となる植物や含有成分が異なる場合があります。
また、サプリメントは医薬品とは品質管理や用量が異なるため、
漢方薬と同じものとして自己判断で使用しないようにしましょう。
🩺 当帰が向いているのはどんな方?

💡 清暑益気湯の中での当帰の役割
以前ご紹介した
🌞 清暑益気湯
にも当帰が配合されています。
夏は汗をたくさんかくことで、漢方医学では「気(エネルギー)」だけでなく、
「血」や身体の潤いも消耗しやすいと考えられています。
清暑益気湯では、
● 黄耆や人参などが「気」を補う
● 麦門冬や五味子などが身体の潤いを守る
● 当帰が「血」を補う
というように、それぞれの生薬が役割を分担しています。
複数の生薬が協力することで、夏バテによる疲れ、食欲不振、口の渇き、多汗などを総合的に整える処方となっています。
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⚠️ 当帰を含む漢方薬を使用するときの注意点
当帰は多くの漢方薬に使用される生薬ですが、体質や服用中の薬によっては注意が必要です。
特に次のような方は、事前に医師または薬剤師へご相談ください。
● 妊娠中・授乳中の方
● 出血しやすい病気がある方
● 血液を固まりにくくする薬を服用している方
● 複数の漢方薬やサプリメントを使用している方
● 漢方薬を飲んで下痢や腹痛が起こった方
● セリ科植物にアレルギーがある方
漢方薬は「自然のものだから安全」とは限りません。
体質に合わない漢方薬を使用すると、胃腸症状や発疹などが現れることもあります。
📝 まとめ
✅ 当帰は、根を湯通しして乾燥させた生薬です。
✅ 漢方医学では、血を補う「補血」と、血を巡らせる「活血」の働きがあると考えられています。
✅ 月経不順、生理痛、冷え、更年期症状、貧血傾向などに用いられる漢方薬へ広く配合されています。
✅ 腸を潤す働きがあり、乾燥タイプの便秘に用いられることもあります。
✅ 当帰芍薬散、四物湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、十全大補湯、清暑益気湯など、多くの漢方薬に配合されています。
✅ 漢方薬は、病名だけでなく一人ひとりの体質や症状に合わせて選ぶことが大切です。
🏥 おわりに
当帰は、漢方医学において「血を補い、巡らせる」ことを得意とする代表的な生薬です。
女性特有の症状だけでなく、冷え、血行不良、疲れやすさ、皮膚の乾燥、便秘など、さまざまな不調に応用されています。
しかし、同じ「冷え」や「疲れ」であっても、原因や体質によって適する漢方薬は異なります。
「漢方薬が自分に合うか知りたい」
「冷えや疲れがなかなか改善しない」
「月経や更年期の症状について相談したい」
という方は、早めにくまのまえファミリークリニックへご相談ください。
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当院では西洋医学だけでなく、漢方医学の考え方も取り入れ、
患者さん一人ひとりの体質や症状に合わせた治療をご提案しています。
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